池袋の「アトリエ村」をテーマとする企画展、「アトリエのときへ‐10の小宇宙展」開催中

s展示の様子

現在、豊島区立郷土資料館企画展示室にて、郷土資料館リニューアル展示第2弾となる企画展「アトリエのときへ‐10の小宇宙展」が開催されています。観覧料無料、3月25日(日)まで開催されます。
 
■かつて池袋にあった「アトリエ村」
かつて、豊島区西部の旧長崎町(現在の要町・長崎・千早地域)には、1930年代から1940年代にかけて誕生した芸術家向けのアトリエ付借家が多く建ち並ぶ「アトリエ村」が存在しました。アトリエ村のあった地域や池袋周辺は、芸術家が創作活動に打ち込む傍ら、画家・彫刻家・詩人・音楽家らが分野を超えて議論する交流の場ともなり、こうした芸術にかける情熱とエネルギーに満ちた空間を、詩人で画家の小熊秀雄はパリのモンパルナスになぞらえて「池袋モンパルナス」と呼びました。
 
■《夕陽の立教大学》など選りすぐりを展示
今回の展覧会では、作家たちが多くの時間を過ごした制作現場であるアトリエに着目し、それぞれの作品を「旅」に見立てて展示されています。紹介されているのは齋藤求、寺田政明、小熊秀雄、鶴田吾郎、高山良策、建畠覚造、麻生三郎、吉井忠、桂川寛、入江比呂の10名で、いずれも池袋モンパルナスを代表する作家。夕焼けに染まるキャンパスを印象的に描いた《夕陽の立教大学》(小熊秀雄)や、平成28年度より新たに豊島区所蔵となった《ブルターニュの巨石(対話)》(寺田政明)など、選りすぐりの作品・資料40点以上を見ることができます。
 
さらに、アトリエ村に暮らした作家5名のアトリエ映像(約45分)を初公開(建畠覚造はアトリエ映像のみ上映)。 このアトリエ映像は、作家の家族らの協力を得て、約3年にわたり撮影・編集したもの。それぞれの作家のアトリエの外観や、使い込まれた作業台、絵具やイーゼル、デッサン用の小物など、作家の制作現場を克明に映しだしています。
 
また、10名の作家のアトリエ位置を重ねた地図や、スケッチブック、カラーパレット(絵具見本)なども展示され、当時のアトリエ村について様々な角度から見ることができます。展覧会の担当者は、「作家が過ごしたアトリエの空間や時間を感じていただきたい。アトリエ映像とそこで生み出された作品を、ぜひご一緒にご覧ください」と語っています。

貴重なアトリエ映像を初公開

貴重なアトリエ映像を初公開

アトリエ村の模型(常設展示)

アトリエ村の模型(常設展示)

 

・開催概要

 

日時 2018年2月6日(火)~3月25日(日)
開館は午前9時から午後4時半まで。
※休館日…毎週月曜日、第3日曜日、祝祭日(2月11・12・18日、3月18・21日)

場所 としま産業振興プラザ(IKE・Biz)7階
郷土資料館企画展示室
(西池袋2-37-4)

イベント
  • 講演会「ここにあり、美術の戦後」 
    2月24日(土)午後2時~3時半 講師:原田光 定員:40名
  • アトリエ村さんぽみちツアー「アトリエ村をあるく」
    3月11日(日)午後1時30分~3時30分 講師:本田晴彦 定員:15名
  • ギャラリートーク
    2月17日(土)午後3時~3時30分 3月15日(木)午後4時~4時30分

※詳細はHPよりご確認ください
https://www.city.toshima.lg.jp/128/museumgroup-exhibition-h29-0.html

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