「熊谷守一美術館33周年展」開催中、熊谷守一作品17点を含む約100点を展示

展示の様子

現在、豊島区立熊谷守一美術館(千早2-27-6)にて、「熊谷守一美術館33周年展」が開催されています。小さな生き物や身近な自然を独自の眼差しで描いた画家・熊谷守一(1880-1977)の油絵約50点と、墨絵・書など約50点を展示しています。期間は、6月24日(日)まで。
 
■今年で33回目を迎える特別企画展
熊谷守一美術館は、熊谷守一が亡くなるまで45年間住み続けた豊島区千早の旧宅跡地に、次女の熊谷榧(かや)氏が創設した美術館。開館記念日に併せて開催している特別企画展も今年で33回目を迎えます。
 
33周年展では、所蔵作品のほか、岐阜県中津川市付知町(つけちちょう)に2015年にオープンした熊谷守一つけち記念館から『立秋の朝』(1959年)、『あぢさい』(1970年)、『朝の富士』(1957年)など油絵10点と墨絵2点、岐阜県美術館からは『百日草』(1962年)、『野菜』(1949年)、『仏画下絵』(1959年)の3点を借用し展示しています。そのほか、著書と画集の表紙にもなっている個人所蔵の『牝猫』(1959年)も展示の見どころです。
 
■熊谷守一の生涯を追う
1階には借用や寄託を受けた作品、2階には初期の頃に描かれた油絵、通常は貸しギャラリーとなっている3階には書や墨絵が展示されており、常設展示よりおよそ30点多くの作品を鑑賞することができます。草花や鳥、風景など、若い頃から晩年までの作品を鑑賞しながら、戦前、戦中、戦後を生きた守一の97年に渡る画家としての生涯を追うことができます。
 
初期の作品は色合いの落ち着いたアカデミックな作品が多い一方、晩年の作品は、対象に焦点を当て、輪郭を丁寧に描き、陰影をつけずに色鮮やかに描いたものが多くなっています。今回の展示ポスターになっている『百日草』は、晩年にあたる1962年(※熊谷守一82歳)の作品。小ぶりな作品でシンプルな構図ですが、赤と黄色の色鮮やかな花びらが力強く表現され、目を引き付けます。
 
■なお注目を集める熊谷守一
本年3月21日までは、東京国立近代美術館(東京・竹橋)で大回顧展「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」が開催され、現在は愛媛県美術館にて巡回展示中です。5月19日からは、熊谷守一をモデルにした映画が全国で公開されるなど、いまなおその人と作品が注目を集めています。同館の職員は、「普段当館で見る事が出来ない作品を鑑賞できるまたとない機会です。是非、ご来館ください」と話しています。
 
遠方の美術館が所蔵する貴重な作品を見る事が出来るこの機会に、閑静な住宅地に立つこの美術館でゆっくりと熊谷守一の世界に触れてみてはいかがかでしょうか。

 

・開催概要

 

日時 2018年5月11日(金)~6月24日(日)
※月曜休館

開館時間 10:30~17:30(金曜日は20:00まで) 
※入館は閉館の30分前まで

場所 熊谷守一美術館
(東京都豊島区千早2-27-6)

観覧料 一般:700円(15人以上団体650円)、高・大学生:300円、小・中学生:100円、小学生未満無料
障がい者手帳を提示の場合:100円
区内在住・在勤者証明書提示の場合:650円

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