東武百貨店 池袋本店では、2018年6月21日(木)~26日(火)の期間、「有田の魅力展2018」を8階催事場にて初開催しています。
400年を越える歴史を有する有田焼。佐賀県有田町を中心に製造されるその伝統の磁器は、江戸時代には「白き黄金」と称され、珍重されていました。その華やかで精緻なデザインは海を越えて各地の万国博覧会で評価され、職人たちもまた、その技術と志を現代まで受け継いできたのです。
その有田焼の魅力を存分に紹介する本催事では、人間国宝の井上萬二氏をはじめとする27名の陶芸家の作品、名窯の作品を展示・販売。また、「暮らしの中に有田焼」をテーマとし、フードスタイリストの遠藤文香氏によるテーブルコーディネイト提案や、有田焼の器を使ったカレーの実演販売など、有田焼の「今」を楽しむ試みが盛りだくさんです。
開催にあたっておこなわれたオープニングセレモニーに登壇したのは、人間国宝の井上萬二氏。若い頃から有田焼の研究に没頭し、「伝統的な白磁制作技法を極めた」と称される陶芸家です。
「東武百貨店で有田焼の展示をおこなうのは2年ぶりですが、香蘭社、深川製磁などの有田焼の各窯元、そして若い人たちの創作した作品がこうして一堂に会することを嬉しく思います。こうした『場』をいただくことで、職人たちはそれを糧にさらに良い作品作りに精進できるでしょう」
と語り、本催事に寄せる大きな期待感を滲ませました。
|会場風景
会場では香蘭社、深川製磁などの名窯の作品、そして27名の陶芸作家の作品を展示・販売。会場を散策してみると、「えっ、これも有田焼なの?」と驚くような斬新な作品、モダンな作品たちにも出会えます。そこには、展覧会のようにガラスケースの奥に鎮座するのではなく、「誰でも、気軽に」手に取れる有田焼が私たちの好奇心を刺激してくれます。
|明治維新150周年を記念した特別展示
明治維新150周年を記念して展示されているのが、明治時代の超絶技巧の有田焼を再現した「染錦紫陽花瑠璃金雲地文様花生」。白磁の人間国宝である井上萬二氏と深川製磁の深川一太社長が、明治時代の技術の再現を目指し、制作された作品です。
「皆さん方が今この作品をご覧になっているのは、まさに『奇跡』です。私が明治の作品を見たときには『一生作れない』と思いました。井上(萬二)先生のお力を借りられなければ、まさに夢のまま終わったでしょう。深川製磁のためではなく、有田の将来のため、背中を追ってくる若い人たちが本当に有田焼を作りたいという気持ちになるようなものを作りたかったんです」
その絶妙な形状を作り出すために三度も焼成し、雲地の文様を施すだけでも一ヶ月を要したというこの作品。しかし、深川氏からはこの「奇跡」の作品を何としても後世に残したいという情熱が伝わってきました。
関東では初のお披露目となる「染錦紫陽花瑠璃金雲地文様花生」、その輝きをぜひ会場でご覧いただければと思います。
|日々の暮らしに寄り添う有田焼
また、会場では「日常使いの有田焼」として、遠藤文香氏によるテーブルコーディネイト提案を展開。可愛さ、使いやすさが魅力の器が会場をひときわ鮮やかに彩ります。他にも、2010年度「『九州の駅弁』ランキング」でグランプリに輝いた有田焼カレー発祥の店「創ギャラリーおおた」がイートインとして特別出店。有田焼の器とともに本格派の薬膳カレーが楽しめます。
伝統美を極めながらも、日本人の「今」に寄り添い続ける有田焼。ぜひ、お気に入りの器を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
|開催概要
タイトル | 「有田の魅力展2018」 |
期間 | 2018年6月21日(木)~26日(火) |
開催時間 | 10時~20時 (※最終日は17時閉場) |
場所 | 東武百貨店 池袋本店 8階催事場(2・3番地) 豊島区西池袋1-1-25 |
問合せ | 東武百貨店 池袋本店 代表TEL 03-3981-2211 |