収蔵資料展「江戸園芸資料コレクション」開催中 ~江戸時代のガーデニング事情がわかるちょっとディープな展示会!~

江戸名勝図会 染井
歌川広重画

現在、豊島区立郷土資料館で、平成30年度第2回収蔵資料展「江戸園芸資料コレクション」を開催している。

 

今回の収蔵資料展では、これまで郷土資料館が30年以上にわたり収集してきた園芸関係資料、その中でも17世紀半ばから19世紀後半までの約200年余にわたる大都市江戸とその周辺地域に展開した独特の植物栽培・植物観賞文化に関わる資料を中心に、4つのコーナーで構成し紹介している。

 

「Ⅰ 江戸園芸の展開と花名所」では、飛鳥山や隅田川堤などの花見遊覧地を描いた浮世絵(複製を含む)や花名所を取り上げた古典籍(こてんせき)を展示している。

 

「Ⅱ 植木屋伊藤伊兵衛と植物図譜」では、武蔵国豊島郡上駒込村染井(現豊島区駒込)に居住した植木屋伊藤伊兵衛(いへえ)家について取り上げている。世襲の名前である伊兵衛の中でも評価の高い伊兵衛三之丞・政武(さんのじょう・まさたけ)父子による植物図鑑の先駆けともいえる植物図譜の数々は必見。また、近代以降の植物園の原形ともいえる伊兵衛家の庭の様子を描いた、豊島区登録文化財「武江染井翻紅軒霧島之図(ぶこうそめいほんこうけんきりしまのず)」を説明するスライドショーも設置し、展示した資料をより楽しめるようになっている。

 

「Ⅲ 奇品ブームと江戸園芸」では、植物の葉に斑(ふ)が入ったものや、捻(ねじ)れがある鉢植えを珍重した奇品(きひん)ブームについての書籍や絵画を紹介。また、実際に使用されていた植木鉢や、植木鉢の模造品を再現展示している。

 

「Ⅳ園芸書コレクション」では、日本で最初に板行された総合園芸書である1681年初版の「花壇綱目(かだんこうもく)」(1716年刊行のものを展示)から、庶民向けのマニュアル本として読まれていた1847年刊行の「菊花壇養種(きくかだんやしないぐさ)」まで、郷土資料館所蔵の園芸書がほぼ年代順に展示されている。

 

担当者は、「大都市江戸で展開していた多彩な文化のなかで、武家から庶民まで幅広く親しまれていた園芸文化を扱った展示会になります。日頃から植物栽培や植物観賞で癒されている方、またボタニカルアートなどに興味のある方には特にお楽しみいただけるものと思います。」と来館を勧めている。

 

期間   平成30年10月14日(日)まで(月曜日、第3日曜日、9月18日、23日、10月9日は休館)
開館時間   午前9時~午後4時30分
場所   としま産業振興プラザ(IKE・Biz)7階(西池袋2-37-4)
主催   豊島区立郷土資料館
問合せ   豊島区立郷土資料館(担当:秋山) 電話:03-3980-2351
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