アニメ・コスプレの聖地として海外からも絶大な人気を誇る池袋。
その舞台である豊島区は今、池袋を起点に大改造の時を迎えています。
今年11月から2020年7月にかけて、豊島区では野外オーケストラを楽しめる池袋西口公園、4つの公園を巡回するIKEBUSなど、国家的事業「東アジア文化都市2019豊島」の開催を記念した22のプロジェクトが行われますが、そのうちのひとつが8つの劇場を有する再開発エリアHareza池袋です。
5月24日(金)、2019年11月にオープンが予定されているHareza池袋の豊島区新ホール「豊島区立芸術文化劇場」(ネーミングライツ名称:東京建物Brillia HALL)の竣工内覧会が開催されましたのでその様子をお伝えいたします。
芸術文化が響き合う劇場で、1000万人の物語がクロスする
旧豊島公会堂の跡地に建てられた「豊島区立芸術文化劇場」は、隣に建てられる32階建てのオフィスビル・シネマコンプレックスとともに、東京建物とサンケイビルに区が土地を貸し出し、両社が開発を行ってきました。
まさに豊島区に誕生した国際アート・カルチャー都市のシンボルとして期待が寄せられる本劇場では、2019年秋から翌年9月までの「こけら落とし期間」に歌舞伎や宝塚歌劇星組公演、 バレエなど多彩な演目をラインアップ。さらに、同時一体的に最先端の技術を用いた未来型のライブ劇場やサテライトスタジオが誕生します。
Hareza池袋の魅力とは?
竣工式典では、hareza池袋の全体の設計を手がけた鹿島建設株式会社プリンシパルアーキテクトの北典夫氏から、そのデザインコンセプトについて解説がおこなわれました。
まず第一点は、一体感を作り上げるということ。
計画地は3棟の建物と目の前の中池袋公園、すなわち4つの敷地にまたがっていますが、この3棟と公園をいかにしてひとつにまとめ上げ、強い一体感を構成するか。そのことが最も大切だったと北氏は語ります。
それを可能にしているのが、3棟の建物に共通するリズミカルなパターン、石割のファサードデザインです。この石はリオオリンピックが行われたブラジル産のものを使用しているとのこと。
この3棟の建物を均一に結びつけるファサードのアイディアは、「美人林」(新潟県十日町市に広がる、ブナをはじめとした森林)に着想を得て考案されたものだそうです。
第二点は、高揚感の演出。
8つの劇場に集う人々が包み込まれるような高揚感を感じ、圧倒的な賑わいを見せるように空間をいかに作り上げるか。そのために、この連続した3棟の軒下空間、そして中央の赤い大階段、立体的に構成された一階部分と二階部分などによって屋内と屋外をシームレスにつないでおり、「見る」「見られる」ことが常に意識できるような構成になっています。
そして最後に、高い品位・エレガンスを醸成すること。
国際アート・カルチャー都市として、また池袋の新たなランドマークとして、市民との連携により、エレガントな表情を演出します。
その華やかな色彩の乱舞は、少しでも劇場に足を運んだ人々の感動が続くようにとデザインされたもの。北氏はしばしば「街全体を包み込むような」という表現を使い、このHareza池袋のエリアが街全体に及ぼす影響を考えておられるようでした。
竣工内覧会の最後には、北氏のデザインによる緞帳のお披露目もありました。
この日司会を務めたフリーアナウンサー・福澤朗氏と北氏、そして多くの観客が見守る中、ゆっくりと緞帳が下ろされていきます。
緞帳の上部に咲く桜はソメイヨシノ。実はソメイヨシノの発祥の地は豊島区とされており、まさに池袋を象徴する花とも言えそうです。中央のデザインパターンがHareza池袋の外観を踏襲しており、人の姿が描かれていないのは、これから訪れる観客たちがこの絵に加わっていってほしい、という思いが込められているからなのだそうです。
「誰もが主役になれる」都市の象徴、Hareza池袋。
2019年11月のオープンを皮切りに、夢や感動があふれる多彩な演目が次々に上演されます。
完成の暁には、ぜひ「新しい池袋」の姿を見に、豊島区立芸術文化劇場に訪れてみてください。
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