硬貨を入れてガシャっとハンドルを回すと、カプセルに入ったおもちゃが出てくるカプセルトイ。ゲームセンターはもちろん、エキナカや空港など、今やどこでもマシンを目にするようになりましたよね。
そんなカプセルトイの超大型専門店が、2021年2月に池袋・サンシャインシティでオープンしたのをご存じでしょうか?
今回は、設置台数は驚異の3,000面超え、「単一会場におけるカプセルトイマシンの最多数」でギネス世界記録に認定されたことでも話題を呼んでいる「ガシャポンのデパート 池袋総本店」をレポートします!
【豆知識】カプセルトイ? ガシャポン? 正式名称はどれ?
ガシャポン、ガチャポン、ガチャなど、地域や世代によってさまざまな愛称で親しまれていますが、実は各玩具メーカーによっても名称が異なります。例えば「ガシャポン」はシェア最大手のバンダイ、「ガチャ」はタカラトミーアーツの登録商標。その関係で、玩具業界ではメーカーを限定しない「カプセルトイ」という呼び方を総称として使用しているようです。
3,000面のマシンの迫力に圧倒される!
バンダイナムコアミューズメントが運営するカプセルトイ専門店「ガシャポンのデパート 池袋総本店」は、サンシャインシティ 専門店街アルパを通り抜けた先、ワールドインポートマートビルの3階に誕生しました。
2020年より全国に店舗を増やしている「ガシャポンのデパート」は、”ガシャポン活動(ガシャ活)を豊かにする”をコンセプトに、多種多様なキャラクター商品・雑貨を集めて販売しています。そのなかでも池袋総本店は、日本が誇るトイカルチャー・カプセルトイの魅力を世界に発信する旗艦店という気合の入った位置づけの新店舗。
冒頭でもお伝えしたように、3,000面(正確には3,026面)という驚異的なマシンの設置台数が最大の特徴として挙げられます。
今回初めて池袋総本店を訪問した筆者。ぐるっと売り場を見渡し、そのボリュームに思わず感嘆の声が漏れます。しかし、実は内心で「たしかにすごいけど、意外と騒ぐほどのこともないかも?」などと失礼なことも考えていました。最初のうちは……。
売り場の奥の壁へ足を運ぶと、何やら出入口のようなものが見えてきて……
まさかの2フロア目がお目見え。「恐れ入りました」と脱帽したくなるほどの物量に圧倒されました。もはやバラエティ豊かというレベルではなく、眺めているだけで何時間でも過ごせそうです。
池袋総本店にはワクワクする仕掛けがたくさん!
マシン数の多さだけではなく、訪れた人を楽しませるさまざまな仕掛けが存在するのも池袋総本店の特徴です。
まず、店舗内にはショップinショップとして、バンダイの最新商品がいち早く入荷される「ガシャポンオフィシャルショップ」があります。そこでは高品質・高級志向の商品展開で注目を集める「プレミアムガシャポン」、キャッシュレス決済対応の「スマートガシャポン」といった最新マシンに触れることができます。
「ガシャポンオフィシャルショップ」ではさらに、バンダイのガシャポン史を振り返る年表、懐かしのガシャポンや一世を風靡した「キン消し(キン肉マン消しゴム)」の貴重な展示も。往年のカプセルトイファンは、思わず立ち止まってじっくり見入ってしまうかもしれません。
エントランスにはハッシュタグ完備(?)のポップなフォトスポットがありますが、撮影といえば、カプセルトイと一緒にSNS映えする写真が簡単に撮れるジオラマブースが設けられるなど、実に至れり尽くせり。
ジオラマは自分で作ろうとするとまず小物集めから大変ですから、店側で用意してくれるのはかなりの良対応だと感じました。
一風変わったカプセル回収方法にも注目。不要になった空のカプセルを投入することで映像が変化する巨大モニターや、専用アプリで特典がもらえるカプセル回収機「ガシャポイントステーション」が設置され、少しでも訪れた人が満足できるような工夫が凝らされていました。
店内にはテーブル席も用意されていますので、購入した商品を開封して友達と見せ合ったり交換したり、その場でSNSにアップしたりも気兼ねなくできちゃいます。カプセルトイ売り場にテーブル席って意外とない気がするので、非常にありがたい配慮かと。
池袋総本店を、ただカプセルトイが購入できる場所と思うなかれ。出会う・遊ぶ・撮影する・知る・見る・語らう……カプセルトイにまつわるさまざまな楽しみ方を提案し、思い出づくりに一役買ってくれる、まったく新しいエンタメ施設でした。
バンダイナムコアミューズメントの担当者さんにインタビュー
池袋総本店やカプセルトイのことをもっと深く知りたい! ということで、運営企業である株式会社バンダイナムコアミューズメントの飯塚さんにいろいろ質問させていただきました。
―― 3月18日に「単一会場におけるカプセルトイマシンの最多数」がギネス世界記録に認定されたとのことですが、納得のボリューム感にたいへん感動しました! お客さんからの反響も大きいのでは?
飯塚さん:
我々も、実際に並べるまでは「3,000面ってどれだけボリュームがあるんだろう」とまったく想像できていなかったので感動しました(笑)。既存の店舗は多くても2,200面くらいでしたので、文字通り桁違いのスケールになるとはわかっていましたが。
おっしゃるようにギネス世界記録に認定された影響は大きく、来店されたお客様が「ギネス」という単語を口にされているのを頻繁に耳にします。実際にご来店いただき、「やっぱりすごい! こんなにあるんだ!」と嬉しそうな反応をされている場面に出会うと、こちらも非常にうれしくなりますね。
――これだけ数があると、探す楽しみが大きくなる反面、お目当ての商品を見つけるのが難しくなりそうですが、探し方のコツはありますか?
飯塚さん:
商品はそれぞれ【ニュー】(新作)、【ボーイズ】【ガールズ】【バラエティ】【いきもの】といったコーナー分けをしていまして、おおまかな目安を付けられるように工夫しています。「ドラゴンボール」など、男の子人気が高いIPだったら【ボーイズ】の看板があるエリアかな、という感じで探していただければ。
明確にお目当ての商品がない方は、「こんなものもあるんだ!」と面白くなるカプセルトイが多い【ピックアップ】や【バラエティ】のコーナーを見るのがおすすめですよ。
――面白いカプセルトイ、気になります! 例えばどんなものがあるのでしょうか?
飯塚さん:
たくさんありますが、私が推しているのは空手の瓦割りができるカプセルトイです。
――えっ、瓦割りですか!? もしかして本当に割れるんですか……?
飯塚さん:
そうなんです(笑)。小さな瓦で、割ってしまったらそれでおしまい。「1回の体験のためだけのカプセルトイ」というのは非常にユニークで新鮮でした。もしかしたら今後は、こういった体験系のカプセルトイが増えてくるのかもしれません。
また、最近は巧妙なギミックのあるカプセルトイが熱いです。我々は「スイッチ系」と呼んでいるのですが、スイッチを押すとなんらかの音が鳴るもの――バスの「とまります」ボタンとか、レストランに置いてある店員さんを呼ぶボタンなどですね。音も見た目もかなり本物っぽく作られていてかなりの人気です。
「鬼滅の刃」をはじめとした人気IPや精巧に作られた動物のフィギュアなどは安定して売れていますが、一方で「こんなの誰が買うんだろう?」と疑問に感じる商品が信じられないほどヒットすることもあるのが、カプセルトイの面白いところですね。
――ここ数年、急速にカプセルトイ市場が拡大しているのを感じていますが、こういった独自性の強い“刺さる人には刺さる”商品が増えているのも、カプセルトイ人気を加速させる一因なのかも、と感じました。
飯塚さん:
そうですね。単純にカプセルトイ全体のクオリティーの向上や、大人も欲しくなるようなラインナップの充実が市場の拡大につながっているのは間違いないですが、今はSNSによって、自分の体験を第三者に共有することが当たり前の世の中になっているという時代的な側面も大きいです。
「私はこんなに面白いものを見つけたよ!」と、不特定多数とコミュニケーションをとるためのネタとしてカプセルトイが認識されてきているのかなと。特に「ガシャポンのデパート」のように、ジャンルにかかわらず膨大な数のカプセルトイが集まっている場所は、いいネタ探しのスポットになっているのではないでしょうか。
――そう考えると、手ごろな価格でゲットできるカプセルトイは誰でも気軽に使えるコミュニケーションツールといえそうですね。ちなみに、池袋総本店で扱われているカプセルトイの価格はどのようになっていますか?
飯塚さん:
1回200~500円の商品がほとんどですが、今年から高品質な「プレミアムガシャポン」の取り扱いが始まり、現在は一番高いもので1,500円の商品があります。そのマシン自体は2,500円までの価格帯が設定できるので、ゆくゆくはさらなる高級商品のラインナップもあるかもしれません。
――市場の拡大に合わせて新商品も次々に発売されると思いますが、どのくらいのペースで新作が出るのでしょうか?
飯塚さん:
カプセルトイ全体だと、ひと月に100~200種類ほどが新しくリリースされていると聞いています。
――予想よりずっと多くて驚きました。そのぶん、ラインナップの入れ替えも早いということでしょうか?
飯塚さん:
毎日のように入れ替わっています。というか、池袋総本店のオープンから1か月経ったころには、オープン時にあった商品はほぼ残っていませんでした。
――3,000面もあるのに……⁉ 激戦すぎますね。
飯塚さん:
お客様も非常に多くいらっしゃいますので、数日ももたず、あっという間になくなってしまうことも多々あります……。
人気商品に関しては再入荷することもまれにありますが、ほとんどは売り切れたらそれで終わりです。お客様からのオーダーで補充、といった対応もしていませんので、そのとき・そのタイミングでしか手に入らないカプセルトイとの出会いを大切にしていただければ幸いです。
――気になった商品があれば躊躇せず手に入れるのが安心ですね。在庫の有無が知りたい場合、事前に確認はとれるのでしょうか?
飯塚さん:
「ガシャポンオフィシャルショップ」で取り扱われているバンダイの商品に関しては、WEBで在庫検索ができますのでご利用ください。
ガシャどこ?PLUS https://gashapon.jp/shop/gplus_list.php
ちなみに「ガシャポンオフィシャルショップ」では、バンダイでそのとき発売している商品はほとんど集める、くらいの意気込みでラインナップを揃えています。探している商品のメーカーがバンダイだった場合は、ぜひ池袋総本店で探してみてください。
――「ガシャポンのデパート 池袋総本店」の魅力をあらためて教えてください。
飯塚さん:
3,000面以上という世界最大級のマシン数をご用意していますが、単に商品を購入していただくだけではなく、今まで想像もしなかった商品に出会える……「モノ体験」だけでなく「コト体験」も提供できる、そこが大きな魅力かなと思っています。
サンシャインシティの目玉の一つとして、「池袋に来たらやっぱり『ガシャポンのデパート』に行かなきゃね」というふうに、池袋の新名所・観光地としてお客様に親しんでいただけたらうれしいですね。
取材を終えて
帰り際に気づいたのですが、子ども向けのコーナーではマシンが3段ではなく2段になっている箇所が多く、細かい気づかいに感心しました。(やはりカプセルトイは自分の手で回してこそですもんね!)
困ったときにスタッフさんを呼び出せるQRコードも売り場の各所に貼ってあり、「『ガシャポンのデパート』で一つでも多く良い思い出を持って帰ってほしい」という運営側の心意気をひしひしと感じました。
なお、池袋総本店のすぐ横では新たに「一番くじ公式ショップ 池袋サンシャインシティ店」もオープン。コンビニなどでよく目にする「一番くじ」や「一番コフレ」の最新商品をいち早く、どこよりも多い品揃えで展開しているということで、こちらも要チェックです。
ここに来れば、きっと知られざる魅力的なカプセルトイとの出会いが待っているはず。池袋にいらした際には、ぜひ一度「ガシャポンのデパート 池袋総本店」に立ち寄ってみてくださいね。
「ガシャポンのデパート 池袋総本店」概要
住所 | 東京都豊島区東池袋3-1-3サンシャインシティ ワールドインポートマートビル3F |
電話番号 | 050-5835-2263 |
営業時間 | 10:00~20:00 年中無休 |
公式サイト | https://bandainamco-am.co.jp/others/capsule-toy-store/store/ikebukuro/special/ |
※記事内の情報は掲載日(2021/04/14)時点のものです。