【取材レポ】「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~」が池袋PARCOで開催。座敷牢でゲゲ郎&水木と撮影できるスポットも!

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漫画家・水木しげるの生誕100周年記念作品として公開された映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023)初の展示イベント「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~」が、2024年6月21日から7月8日まで池袋PARCOで開催中です。

開催に先がけて実施されたメディア向け内覧会を取材しましたので、会場の様子をレポートします。

※本稿には映画のネタバレを含みます。
※掲載している画像は許可を得て撮影したものです。

 

興行収入27.8億円を記録し、第47回日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞した大ヒット映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、2018~20年に放送されたテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の前日譚に当たります。

終戦間もない日本で、政財界を裏で牛耳る「龍賀一族」が支配する哭倉村で起きた怪奇事件の顛末を追うストーリーで、「目玉おやじ」になる前の鬼太郎の父(以下、ゲゲ郎)と、もう一人の“鬼太郎の父”である水木の出会いが初めて描かれたことでも話題を呼びました。

 

開催中の「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~」は、そんな映画のストーリーと世界観を追体験するもの。展示は絵コンテや総作画監督による修正原画(複製)、キャラクター設定資料、美術ボードといった制作関連資料が中心です。

 

水木と龍賀沙代が出会った哭倉村の風景。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

水木と龍賀沙代が出会った哭倉村の風景。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

会場に入ると、ゲゲ郎と水木が出会った哭倉村に向かう夜行列車の場面の紹介から始まります。続けて、哭倉トンネルを模したゲートから自然豊かな哭倉村に入り、龍賀家屋敷、座敷牢、村の禁域……と、時系列に沿ってシーンごとにコーナーを区切りながら展開。

屋敷の大広間の物々しい襖絵が展示の仕切りになっていたり、隠された龍賀家長男・時麿の部屋の書物に血が広がっていたりと、空間そのものにも没入感を高める趣向が凝らされています。なかには、ブラックライトを当てると屋敷に潜む妖怪たちが浮かび上がるちょっとした仕掛けも用意されていました。

 

時麿の部屋を一部再現したコーナー。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

龍賀時麿の部屋を一部再現したコーナー。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

展望テラスのコーナーでは、原撮映像と本編映像の比較も。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

展望テラスのコーナーでは、原撮映像と本編映像の比較も。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

展望テラスのコーナーでは、大きな反響を呼んだ「ゲゲ郎vs裏鬼道衆」の縦横無尽なアクションシーンを取り上げ、設定資料や絵コンテのほか、作画監督の太田晃博氏による当該シーン原撮映像と本編映像を並べて上映。

ダイナミックなカメラワーク、特徴的なよれた線画から生まれる躍動感……大画面で見比べることで新しい発見もありました。なお、この映像は11月17日発売の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』豪華版Blu-rayに収録されるとのこと。

 

花びらが舞う演出を施した血桜。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

花びらが舞う演出を施した血桜。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

展示終盤では、舞い散る花びらを投影した血桜を背景に、ゲゲ郎と水木が最後に交わしたセリフをエモーショナルに配置。このように、詳しいストーリー解説はありませんが、それぞれのシーンを思い起こさせるキャラクターのセリフが資料とともに紹介されているので、一度でも映画を見たことがある方なら問題なく展開を楽しめそうだと感じました。

資料の中ではキャラクター設定関連がとくに興味深く、たとえば水木が身に付けている腕時計のメーカーが明らかになったことで、人物像の解像度があがりそうです。ほかにも、ゲゲ郎が地下工場でベッドに拘束されていた際の拘束紐の結び方(おそらく作中では描写されていなかった部分では?)というマニアックなものもあって見ごたえ抜群。村の禁域で登場したものの、暗くて全容がわからなかった個性豊かな妖怪たちのカラフルな立ち絵も本編映像とともに確認できて大満足です。

 

本展のハイライトは、印象的なシーンをキャラクターたちになりきって体験できる複数の大型フォトスポットや、物語に登場したアイテムの再現展示でしょう。

 

龍賀家当主・時貞の弔問シーンを再現したフォトスポット。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

龍賀時貞の弔問シーンを再現したフォトスポット。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

とくにインパクトがあったのは、龍賀家当主・時貞の弔問シーンを再現したフォトスポット。来場者はまるで弔問に来たかのように、あるいは弔問客を迎える龍賀家の者たちのように座布団に座り、自由に撮影することが可能です。

 

座敷牢を再現したフォトスポット。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

座敷牢を再現したフォトスポット。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

なんと、実際に座敷牢に入って撮影できるスポットも!

座敷牢の前を見れば、灯篭や蚊取り線香、灰皿といった小物も並んでいます。ゲゲ郎と水木のパネルが来場者を出迎えてくれるのですが、座敷牢に入れられたゲゲ郎が本編とは異なり朗らかな笑顔を浮かべているので、「来場者と同じようにイベントに遊びに来たのかな?」などと想像がふくらみました。

 

遊びに来たといえば、本展にはゲゲ郎(声:関俊彦)と水木(声:木内秀信)が掛け合いをしながら会場を案内してくれる完全録り下ろし音声ガイドが2種類用意されています。

筆者は水木がメインで語るバージョンを聴きました。水木は若干イヤイヤながら完全に接客モードというか、サラリーマンらしい丁寧で穏やかな喋り方。かと思えば、ゲゲ郎が話に割って入ると砕けた口調になり……。詳細は記しませんが、映画の後も腐れ縁として付き合いが続いていれば、こんな気の置けないやり取りも生まれたのかなと、大いに楽しんだ反面ちょっとしんみりもしてしまいました。

 

ゲゲ郎とその妻・岩子がクリームソーダを喫するシーンと、ゲゲ郎と水木が天狗の酒を飲み交わすシーンのフォトスポット。©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

ゲゲ郎とその妻・岩子がクリームソーダを喫するシーンと、ゲゲ郎と水木が天狗の酒を飲み交わすシーンのフォトスポット。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

狂骨の依代を再現した実物大の立体物もすばらしいクオリティでした。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

狂骨の依代の実物大再現展示も雰囲気満点でした。 ©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

本展のラストは、キャラクターデザインを手掛けた谷田部透湖氏による本展メインビジュアルを含めた2種類の描き下ろしイラストや、映画来場者特典イラストなどで締めくくられています。ゲゲ郎と水木を中心にキャラクターの平和な姿を描いたものばかりなので、最後はあたたかな気持ちで会場を去ることができました。

 

なお、「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎~追憶展~」池袋会場はすでにチケットが完売していますが、巡回展として2024年7月12日(金)~8月5日(月)まで広島PARCOでも開催予定です。池袋会場に足を運ぶのが難しかったという方はぜひチェックしてください。

【広島会場】前売り券発売ページ:https://eplus.jp/sf/event/kitaro-tanjo-ten
イベントHP:https://art.parco.jp/hiroshima/detail/?id=1501

©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

 

■「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~」池袋会場 概要

※すでに池袋会場のチケットは完売しています。

会場 池袋PARCO 本館7階 PARCO FACTORY)
会期 2024年6月21日(金)~7月8日(月)
開催時間 11:00~21:00
※最終入場は閉場の30分前
※最終日は18時閉場
※営業日は変更となる場合があります。詳しくは池袋PARCOのHPをご確認ください。
入場料 音声ガイド付き2,000円(税込)/一般1,500円(税込)
未就学児無料
※その他、株主優待を含む割引対象外
主催 東映アニメーション/PARCO
イベントHP https://art.parco.jp/parcomuseum/detail/?id=1486

 

 

 

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