植物肉の最先端を味わう!ハンバーガーショップ「The Vegetarian Butcher」実食レポート

IMG_E1094bb

 
“IKEBUKURO新店レポート”第2回となる今回は、2020年8月にオープンした、東京・池袋にあるハンバーガーショップ「The Vegetarian Butcher(ザ・ベジタリアン・ブッチャー)」さんにお邪魔しました。
 
こちら、ただのハンバーガーショップではありません。なんと、動物性の肉をまったく使用しないプラントベース・ミート(植物由来の原料で作られた肉)のハンバーガーが食べられるお店なのです!

オープンから約2か月経ちましたが、すでにネットや各メディアでは「本物のお肉みたい」「びっくりするほどおいしい」と絶賛の声がちらほら。これはぜひ確かめてみなくては! ということで、代表取締役の村谷さんにインタビュー&さらに人気メニューを実食してきましたので、その模様をレポートします。

 

【プラントベース・ミートとは?】

近年、世界的に市場が拡大しているプラントベース・ミート(以下、PBM)。主に大豆やエンドウ豆などの植物を原料として作られています。

温室効果ガスの排出をはじめとした、畜産業が地球環境に及ぼす悪影響。食肉にかかわる動物福祉の問題や健康問題。PBMは、今の時代に私たちが向き合うべきそれらの課題を解決する手段として注目されています。

特にベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン(※)の増加が顕著な欧米諸国では、スタートアップ企業が次々に市場に進出。ファーストフード店でコラボメニューを出して話題となったり、一般のスーパーマーケットで通常の精肉と同じように販売されていたりと、人々の食生活に着実に浸透しつつあります。低糖質・コレステロールフリーで消化吸収も早いことから、アスリートの間でも愛好家が増えているとのこと。

(※)フレキシタリアン……動物性の食品を食べることを一定の頻度で控えている人々のこと。

 
 

■店舗の外観・内観をご紹介

 

店舗が入っている「C3ビル」の1F通路

店舗が入っている「C3ビル」の1F通路

 

店舗名と同名の会社「The Vegetarian Butcher」さんは、日本に初進出してきた海外のPBMブランド。2010年に環境先進国であるオランダで誕生し、現在世界35か国、15,000以上の店舗で商品を展開している急成長企業です。

今回オープンしたコンセプトショップの場所は、JR池袋駅のC3出口を出て目と鼻の先。バーガーキング横の建物の地下1Fにあります。

 

入り口すぐのカウンター

入り口すぐのカウンター

 

地下にある店舗なので最初はちょっと入りづらいかもしれませんが、階段を下りれば、白を基調とした清潔感あふれる店内がお目見え。

ハンバーガーショップではありますが、店内にはPBM専門の肉屋も併設されていて、グラム単位でPBMを購入することが可能という珍しい形態になっています。

 

IMG_E1113

 

座席はカウンター席とテーブル席があり、それぞれマスタードとケチャップ、ハンバーガーを包むためのペーパー、消毒液などが置いてありました、

 

中に入った商品や食材の持ち帰りOKな「フードシェアリングフリッジ」

中に入った商品や食材の持ち帰りOKな「フードシェアリングフリッジ」

 

また、「The Vegetarian Butcher」さんの店舗では、サステナブルな(持続可能な)環境に配慮した取り組みを行っていることも特徴です。

動物性の肉の代わりにPBMを提供していることはもちろん、フードロス解消のため、食べ残しを持ち帰るようにすすめる「TO GO」の運動。レストランで余った商品・食材を無償で持ち帰ることができる「フードシェアリングフリッジ(冷蔵庫)」のサービス。また、プラスチック製品を使わないこと。
 
地球の未来を見据えた取り組みを実践する、最先端のハンバーガーショップなのです。

 

 

■代表取締役・村谷さんにインタビュー

 

IMG_E1139b

 

この日は、店舗に顔を出されていた株式会社ベジタリアンブッチャージャパンの代表取締役・村谷さんにお話をうかがうことができました。

 

――PBMを使用したメニューが楽しめるということですが、具体的にどういったものがあるのでしょうか?
 
村谷さん:当社のPBMはすべて大豆たんぱくを主原料にしたものです。本国・オランダでは約30種類ほどのPBMを販売していますが、現在日本に輸入しているのは、ビーフパテ、ビーフミンチ、ビーフミートボール、チキンパテ、チキンナゲット、とりもも、ポークソーセージ、フィッシュの8種類。店舗でもこの8種類を使ったハンバーガーメインの料理を提供しています。

 

――たくさん種類があるんですね! そんな「The Vegetarian Butcher」さんのPBMは、ネット上で「普通の肉より好きかも」「何も言わずに出されたら代替肉だって気づかない」と評判です。いったいどんな秘密が……?
 
村谷さん:ご好評いただいているようでうれしいです。当社のPBMは農業大学として世界一と評されているヴァーへニンゲン大学(オランダ)と共同開発したもので、細胞レベルで肉の味を再現しているんです。

 

――細胞レベルで…!? それはもう実質お肉なのでは……!
 
村谷さん:お肉、にかなり近づけていると思っています。どれもこだわりの商品ですが、中でもチキンの再現度には自信があります!

もちろん肉だけではなく、ハンバーガー全体のおいしさにもこだわっていますよ。たとえば、使用しているソースも植物由来の原料で作っていますが、実は某有名ハンバーガーチェーンと共同開発したものなんです。

ただ「体に良さそうだから」、「動物の肉が食べられないから仕方なく」という理由で選ばれるのではなくて、普段からハンバーガーを食べ慣れている方たちが「おいしいハンバーガーが食べたいな」と思ったとき、候補の一つに入れてもらえるようにおいしく仕上げました。

 

 

■人気の「ビーフチーズバーガー」と「一石三鳥チキンチャンクバーガー」を実食レビュー!

 

村谷さんのお話で期待が最高潮に高まったところで、実際に「The Vegetarian Butcher」さんのハンバーガーを実食させていただくことに。

店舗内には、紙のメニュー表はありません。店員さんが出してくれる席ごとのQRコードをスマートフォンで読み取ってオーダーする、セルフオーダーシステムが採用されています。

 

(写真左)実際のオーダー画面 (写真右)QRコードを読み取っているところ

(写真左)実際のオーダー画面 (写真右)QRコードを読み取っているところ

 

非接触のオーダーシステムなので、新型コロナウィルス対策にもなっています。

ちなみに、ハンバーガーをオーダーするとドリンクバーが無料でついてきます! これは非常にうれしいサービス。

 

ドリンクバー。ホットコーヒーやコーラ、オレンジジュースなどが選べる

ドリンクバー。ホットコーヒーやコーラ、オレンジジュースなどが選べる

 

 

・ビーフチーズバーガー(税抜1,180円)

具はPBMのビーフパテ、PBMのミンチ、レタス、トマト、ピクルス

具はPBMのビーフパテ、PBMのミンチ、レタス、トマト、ピクルス

 

今回は人気メニューだという「ビーフチーズバーガー」「一石三鳥テリマヨチキンチャンクバーガー」をいただくことにしました。

 

まず「ビーフチーズバーガー」から。見た目はいたって普通のハンバーガーで、パッと見ではパテもリアル肉にしか見えません。
 
食べてみると、カメラ担当・Tと一緒に「おお~っ……!」という驚きの声がもれました。これ、かなり肉です……! PBMだと言われないと気づかないレベルというか、言われても「いや、こういう肉食べたことあるなあ」と記憶を探してしまうくらいには肉感アリアリでした。

しいて表現すると、ウェルダンの肉というか、少しパサついた肉というイメージ。当然ですが肉汁は出ないですし、食感も本物の牛肉とは少し違うのですが、これはこれでとってもおいしいんです。

バンズも野菜も手抜きなし! 全体的に甘みと酸味のバランスがちょうどよく、ちょっとチーズの存在感が薄かったものの、満足度の高い逸品でした。

 

なお、付け合わせはフライドポテト、ブロッコリー、キャロットから選べました。大胆にカットされたキャロットは甘みがあってgoodでしたのでおすすめです。

 

・一石三鳥テリヤキチキンチャンクバーガー(税抜1,180円)

具はPBMのチキンチャンク、PBMのミンチ、レタス、トマト、ピクルス

具はPBMのチキンチャンク、PBMのミンチ、レタス、トマト、ピクルス

 

続いてはいよいよ本命。村谷さんが「自信アリ」とおっしゃっていたPBMチキンを使ったハンバーガーです。こちら、ビーフパテよりさらにリアル肉の風格がありました。
 
ドキドキしながら食べてみると、取材班2名、どちらともなく「めちゃくちゃチキンじゃん……」と繰り返しつぶやきながら食べ進める事態に。香ばしく焼き鳥みたいで、焦げ部分の絶妙な苦みもそのまま、食感も違和感なし。これはまごうことなくチキンです……すごすぎる……。

テリマヨの味付けは濃厚。幸せな気分になるタイプの甘さがあって、これは子供も大喜びするのではないかと。

ボリューミーでしたが、おいしすぎてあっという間に完食。食べ終わった後も、なにや感動でしばらくぼーっと余韻に浸ってしまいました。

 

 

■「PBMを食べて、環境問題を考えるきっかけに」

 

正直なところ、筆者は昔ながらのいわゆる”大豆ミート”のイメージが強く、「本物のお肉みたい」という評判を見ても「大げさじゃない?」とあまり信じていませんでした。食べ終わったあと、その態度を猛省しました……。
 
近年は急速に技術革新が進み、一昔前の大豆ミートとは比べものにならないほど味のクオリティが上がっているとのこと。ただこの感動は、言葉で説明しても伝わりきらないと思うので、ぜひ一度食べていただき、同じ衝撃を味わってほしいです……!

 

最後に村谷さんから、ココシル読者に向けてメッセージをいただきました。

 

村谷さん:植物性の肉というと、ベジタリアンやヴィーガンなど特定の人が食べるもの、って認識があるかもしれません。しかし、いま世界中でPBMの市場が拡大している背景には、フレシキタリアンという、”環境に配慮してあえて肉を控える”選択をする人々が増えたことがありまして。

つまり、これだけ環境問題が騒がれている中で、「一人ひとりの選択がこれからの未来をつなげていく」と意識する人が増えているということなんですね。

これから生まれてくる子供たちが未来の地球に希望を持つために、今の僕たちの選択が重要になります。当店でPBMを食べてもらうことをきっかけに、特に若い世代の人たちに、そんな考え方が根付いていけばいいなと。

当店では若い人たちが気軽に利用できるように、サブスクプランも用意しています。月額580円払うと、いつでも料理が20%オフで食べられるので、ぜひ利用してみてください。

 

サブスクプランの詳細

サブスクプランの詳細

 

帰社後、早くも恋しくなった味……。

帰社後、早くも恋しくなった味……。

 

何もかもが新鮮だった「The Vegetarian Butcher」さんの取材レポートでした。

実は、海外ではスーパーや小売店での販売がメインであって、今回取材させていただいたようなハンバーガーショップの形で展開しているのは現在日本だけなのだとか。ぜひこれから、池袋以外にもどんどんショップをオープンしてほしいと願わずにはいられません。

 

なお、「The Vegetarian Butcher」さんでは、11月2日(月)から夜のメニューがリニューアル。“戦う女性の為の植物性プロテインバル”をコンセプトに、これまでのハンバーガーに加えて、より体づくりを意識した「プラントベースドブロシェット(串焼き料理)」などの高たんぱく&低糖質のメニューが味わえるそうですので、ディナータイムも要チェックです!

 

 

「The Vegetarian Butcher」

住所 東京都豊島区西池袋3-29-9 C3ビル B1F
電話番号 03-6427-5089
営業時間 ランチ  11:30~16:00
ディナー 17:00~21:00
※火曜定休
席数 24席
その他 全席禁煙、駐車場なし
公式サイト https://www.thevegetarian-butcher-jap.com/

 

Top