急激に気温が下がり、秋を通り越して早くも冬の気配を感じ始めた10月中旬。この日ココシル編集部が取材にうかがったのは、池袋に2020年7月9日オープンしたスパイスラーメン専門店「スパイスらぁ麺 喰JACK -Kujaku-」(以下、「喰JACK」)さんです。
今回は「喰JACK」さんにお店やメニューの魅力についてお聞きしながら、看板ラーメン「黒孔雀」「紅孔雀」を実食してきましたのでレポートします。
■目を引く赤と黄色の看板が目印! 店舗の外観と内観を紹介
「喰JACK」さんへのアクセスは、JR池袋駅東口から徒歩5分ほど。サンシャイン60通りを進み、ユニクロやラウンドワンが並ぶ十字路を右に曲がると見えてくる、赤×黄色の店構えが目印です。
店内は細長いつくりで、座席はカウンター席(18席)のみ。席の背後には上着を掛けられるハンガー、紙エプロンが入ったボックス、収納カゴがありました。(机の下にも荷物を置ける棚を確認)
パーテーションで区切られた座席にはアルコール消毒液が置かれていて、さらに誰でも自由に使える小型の扇風機とUSBコンセントの挿し口も備え付け。至れり尽くせりという印象で、かなり快適に過ごせそうです。
■自分でラーメンをカスタマイズする楽しさを体験してほしい――店主インタビュー
今回お話をうかがったのは、「喰JACK」さんの店主である岩倉さんです。
――池袋はラーメン激戦区ですよね。実際、複数のラーメン店が「喰JACK」さんの目と鼻の先に店舗を構えています。なぜこの場所でお店を開くことにしたのでしょうか?
「実は以前、同じ池袋で担々麺専門店を営業していたんです。そのお店でもスパイスを効かせたメニューを出していましたが、そのときは主に辛さに特化したスパイスばかり使用していました。
ただ、営業しているうちに辛い系のスパイス以外にも、たくさんの魅力的なスパイスと出会いまして。さらに深くスパイスの世界にはまったんです。
“スパイスの魅力をもっと多くの人に知ってほしい、楽しんでほしい”という思いが強くなったため、より幅広いお客様に親しんでいただけるようにメニューをつくり、この場所で新たなスタートを切った形です。
確かに池袋は激戦区ですが、だからこそチャレンジしがいがあると考えています!」
――スパイスといえば、お店の入り口にスパイスの入ったビンがズラッと飾られていました。あれはすべて料理に使用されているのでしょうか?
「そうですね。鶏や豚、魚介の旨味が詰まったスープに、入り口でご覧いただいた20種類以上のスパイスを加えてベースのスープをつくっています。
スパイスはただ飾っているわけではありません。スパイス増量のオーダーをいただいた際は、実際にそのビンからスパイスを出して計量・調合しているんです。
そして調合したスパイスは、すり鉢とセットでお客様のお席へお持ちします。ラーメンが完成するまでの時間、お席でスパイスをお好みの粗さに挽いていただきつつ、香りも楽しんでいただければと」
――それは面白いシステムですね! 待ち時間も楽しくなりそうです。
「見る、挽く、香りをかぐ。味覚だけでなく、スパイスを五感で楽しんでいただきたくて始めた取り組みです。
そんなふうに、ただ美味しいラーメンを召し上がっていただく以外でも、プラスαで楽しみを提供できるようさまざまな工夫していますよ。
たとえば、当店ではクローブ、ホアジャオ、ジンジャーなど6種類のスパイスが増量できるのですが、2種類までは無料で増やしていただいてOKというルールです。
麺も太麺・細麺だけではなく、さつまいも春雨麺、平打ちライスヌードルの4種類から。辛さは22段階から選択が可能です。
自分だけのラーメンをカスタマイズする楽しさを体験していただければうれしいですね」
■いざ実食!
岩倉さんにお店の魅力を語っていただいたところで、いよいよラーメンを実食させていただくことに。
「喰JACK」さんでは主に、スパイスがたっぷり入ったスープに、醤油を加えた「黒孔雀(くろくじゃく)」系、トマト・塩を加えた「紅孔雀(あかくじゃく)」系の2系統のラーメンを味わうことができます。
チャーシュー増量の「又焼黒(紅)孔雀」やパクチー増量の「香菜黒(紅)孔雀」などいくつかバリエーションがありますが、今回は基本の「黒孔雀」「紅孔雀」をいただくことにしました。
この日、取材は筆者とカメラ担当者の2名でうかがいましたが、せっかくなのでそれぞれ自分の好みでオーダー。
ラーメンを待っている間に増量スパイスをゴリゴリ。
写真はクローブと黒胡椒ですが、挽くことで黒胡椒のツンとした食欲をそそる香りが広がってきて空腹感がマシマシに……。挽く指にも力が入ります。
・「紅孔雀」
10分ほどでラーメンが座席に。こちらは「紅孔雀」です。デフォルトのトッピングは「紅孔雀」「黒孔雀」共通で、チャーシュー、パクチー、揚げ赤玉ねぎ、もやし、オムレツ。(オムレツ、どこにあるかわかるでしょうか?)
辛いものが苦手な筆者のオーダー
「紅孔雀」(880円)
増量スパイス:クローブ、黒胡椒
麺:さつまいも春雨麺(+50円)
辛さレベル:普通
食べた第一印象は「カレーっぽい!」。スパイスの中でクミンがかなり前面に来ている印象で、口の中に広がる風味も後味もカレーにかなり近かったです。食べ進めていくと、だんだんとトマトの酸味を感じられるように。
辛さレベルが<普通>でもそれなりにスパイスの刺激はアリ。しかし辛いものが苦手なはずの筆者、食べる手が止まりませんでした。スパイス系料理はうまく味の表現がしづらいですが、こちらは一口ごとに別の表情が見つかる、飽きのこないひじょーーーーに中毒性のあるスープです!
いい塩梅にパクチーの独特な香りが全体をガシッとまとめていますが、東南アジア系料理とはまたちょっと毛色の違う新鮮な味わい。さつまいも春雨麺はつるつるで食べごたえもあり、十分満足できる一方で、よりエスニックに楽しみたい方はライスヌードルを選んでみてもいいかもです。
具は特に揚げ赤玉ねぎがgood! しっかりとした甘みがあって、個別メニューにぜひ追加してほしい逸材です。
・「黒孔雀」
続いて「黒孔雀」。見た目は「紅孔雀」とほぼ変わらず。スープの色が若干黒っぽいかな? と感じる程度です。
辛いもの好きなカメラ担当者・Tのオーダー
「黒孔雀」(880円)
追加スパイス:ホアジャオ、ジンジャー
麺:太麺
辛さレベル:3辛
※パクチーを青ネギに変更
Tのコメント
「こちらもカレーっぽさがありますね。最初は全然辛くないな、と拍子抜けしましたが、もやしの上にかかっていた粉唐辛子がスープに混ざり合った段階でしっかり辛さが前面に。さらに追加でジンジャーとホアジャオを全部入れたら汗が止まらなくなり、体が元気づいているのを感じました……! 寒い季節にこのスパイスの組み合わせはよさそうです。
『紅孔雀』のスープを一口もらいましたが、あちらより味が澄んでいるような気がします。ベーススープは動物系の旨味を残しながら、うまくスパイスが共存しているのが絶妙なバランスだなと。醤油のしょっぱさもほんのり程度で主張しすぎません。
のど越しのいい太麺のおかげかスープがよく絡んで、食べるごとにスパイスのとがった要素が鼻に抜けていくのがたまらなかったです。あっという間に完食してしまいました。
トッピングはオムレツがイチオシ。ふんわりとまろやかで、いい具合に箸休め的な活躍をしてくれました。煮卵ではなくてオムレツ、アリだと思います!」
■「迷った際はぜひ辛さレベル<普通>からどうぞ」
スパイスラーメンを食べ慣れていなかった取材班2名ですが、今回の取材がスパイスラーメン開拓の旅を始めるきっかけになりそうです。
ちなみに、岩倉さんが初めての方におすすめする組み合わせはこちら。
「黒孔雀」(880円)
増量スパイス:クローブ、コリアンダー
麺:太麺
辛さレベル:普通
「『黒孔雀』のほうがよりはっきりとスパイスの風味を感じられます。
増量スパイスは、味で選ぶのはもちろん、食欲増進や免疫力アップなどの効能が期待できますので、それを基準に選ぶのもいいですね。辛さに関しては、レベル<普通>から試していただくと、スパイスの良さがダイレクトに伝わるのではと考えておりますので、迷った際はぜひ。
なお、辛さは22段階あるとお伝えしましたが、一番上の<極楽浄土>は、辛さがギネスに認定されている唐辛子キャロライナー・リーバーやブート・ジョロキアがたっぷり入っています。本当に辛いので注意していただきたいのですが、我こそはという方はぜひ挑戦してみてください」
五感で楽しむことのできるスパイスラーメン専門店「スパイスらぁ麺 喰JACK -Kujaku-」。
何度も通いたくなるようなクセになる美味しさのラーメンが食べられますので、皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。
※価格はすべて税込みです。
「スパイスらぁ麺 喰JACK -Kujaku-」
住所 | 東京都豊島区東池袋1-23-5新大同ビル1階 |
電話番号 | 03-5956-9006 |
営業時間 | 11:00~22:00 |
席数 | 18席(すべてカウンター席) |
その他 | 全席禁煙、駐車場なし |